秋の波打つ富戸・城ヶ崎海岸~かんぽの宿伊豆高原
車で通ったことはあっても歩いたことはない、それでいて車から見える景色についよそ見し、事故を起こしそうになる景色ってありませんか?私にとって城ヶ崎海岸と川奈の間の富戸の海岸がそうです。天気は今ひとつですが歩きましょう。〆はかんぽの宿伊豆高原。

伊豆急富戸駅を降りて、だらだらと海に向かって坂を下ります。
秋なのになぜか空高くなく、どんよりした空模様。空と同じくらいぼんやりした伊豆の海が正面に広がります。
視界が悪く、空と海の区別が写真ではつきません。
家と家の隙間から時々海が覗きます。
降りていっても行き止まり。
一箇所、海に行けそうな場所がありましたが、途中から蜘蛛の巣だらけになり、断念。
(私は蜘蛛が大嫌いです)
でも木々の隙間からすぐ目の前に海があることが分かりますし、何より体で振動を感じるほど波が打ち寄せる音が聞こえます。
人家のすぐ横ですから、この家の人って家のすぐ横をドドーン、ドドーンと波が打ち寄せていることになります。嵐の時なんかさぞかし怖いでしょう。
しばらく行くと、また海側へ向かう道が。
今度こそ行けそうです。
海に向かった祠を越えると、大きな石があります。
産衣石とあります。
すぐ横の説明書きによると、伊豆に流されていた源頼朝が、身を寄せていた伊東の領主伊東祐親の三女と出来てしまい、男の子が生まれた。しかし祐親が清盛を恐れるあまりその子(自分の孫)を殺し、川に流したところ、遺体が海に出て流れ着いたのがここだとのこと。そしてその遺体を発見したこの地の者が遺体を安置し、着物を乾かせたのが、この岩だとのこと。
伊豆って、こういう話が本当に多いのです。
それにしても権力者が怖くて孫をも殺してしまい川に流す、なんて哀しすぎません?
その殺された子供は今は神となってこの祠の中で海を見守っているとのことですが、本当でしょうか?
人の世を恨んでいるのではないでしょうか?何か変なものでも映ってそうな写真でちょっと怖い。
多分思い過ごしでしょうが、祠の左側に人の顔が映っているようにも見えますが、まさかね・・・
産衣石の先には木で出来た小さな展望台のようなものがあります。
左側を見ると、先ほど蜘蛛の巣で引き返した場所があるじゃないですか?
やっぱりすぐ下は深くえぐられた海岸でした。

さきほどの祠に手を合わせ、先に進みましょう。
よく車で通った道です。
秋の花々が海岸に咲いています。
潮風に負けずに。
小さい秋見ーつけたですね。
程なく富戸の漁港に着きます。
漁村の方から見るとずっと下に漁港があり、見下ろすような格好になっています。
ボーっという汽笛が聞こえたかと思うと、
城ヶ崎遊覧船が漁港に入ってきました。
「海から見る城ヶ崎海岸」ですって。
乗ってみたい気もしますが、今日は光が悪く海の色が綺麗じゃなさそうだから止めましょう。
そして本日の最初の写真の場所へ。
ここは以前から気になっていた場所。道から海に突き出たベランダのような場所に椅子が置いてあり、猟師達が酒盛りをやっている場所。テレビの旅関連の番組で取り上げられていたこともあります。
今日も猟師達数名が楽しそうに騒いでいました。
勇気のある人だったら、「すいませんが、写真撮ってもよろしいですか」と聞いたでしょう。
それぐらい楽しそうで、かつ羨ましそうな光景。
仲間とはるか下の漁港を眺めながらビールでも飲めたらどんなに素晴らしいでしょう!
でも私は勇気がなくシャイなので、声を掛けられませんでした。
そしてこっそり撮ったのがこの写真。
正面から取れず、左側にかろうじて猟師達が写っているところが私の臆病さ加減を表しています。
声を掛けようかどうしようか、優柔不断に迷いながらも、遂に諦め、そこからどんどん坂を上ります。
振り返ると富戸の漁村の向こうに断崖絶壁が。
結構豪快な景色だったんですね。
更にどんどん坂を上がり、城ヶ崎海岸駅に向かってひたすら歩き続けます。
途中幾つものダイビングショップを通り抜け、何とか城ヶ崎海岸駅前通りに到着。
そしてそこから更に別荘街を上り続け、やっとこさ、到着。
かんぽの宿伊豆高原。
妻と母との3人旅行の予定でしたが、妻が都合付かなくなって母と二人の一泊旅行。
全く別々に来たにもかかわらずほぼ同時刻に到着。
部屋に入ると、目の前に城ヶ崎の別荘地とその向こうに海が広がります。
大島がどーんと見えるはずですが、視界の関係上良く見えません。
ユニークなのは、部屋の中に冷たい水の入ったポットがあること。
冷蔵庫の中に有料のミネラルウォーターがあるのに慣れた私には結構新鮮。
早速風呂に入りましょう。
そして何より気に入ったのが露天風呂。
思い切って外に飛び出していて緑に囲まれています。
海は見えませんが、開放感に溢れています。
それに私しかいないので、極楽極楽。
風呂から出たら早めの夕食。
3階なので、夜景もきれい。
一泊二食で12000円なので、多くは期待してませんでしたが、どうしてどうして、
豪勢なディナーです。
母はとても食べきれない、と申しておりました。
地元産の吟醸酒をお奨めしていたので、いただくとこれも結構いけます。
この味で1合500円は良心的。
かんぽの宿って、垢抜けない反面、変に儲け心がないせいか、善意に溢れているところが好感を持てます。
ちなみに熱海のかんぽの宿熱海別館もお奨め。かんぽの宿熱海別館、熱海サンビーチ歩き
翌朝のバイキングもなかなか。2万円以上する温泉旅館のバイキングに引けを取りません。
温泉に入った朝はやたら喉が渇く私にとって、冷たい飲み物にミルク・トマトジュース・オレンジジュース・アップルジュースの4つが揃っているのは嬉しい。3つはあっても4っつは珍しいですからね。大抵の人にとっては大したことではないと思いますが。こういう小さいことに真心のようなものを感じます。
チェックアウトが12時というのも嬉しい。
ぎりぎりまでゆっくりして、さあ行動開始。私は今日も歩くので、チェックアウトすると母とは別行動。母な稲取に行ってみたいと申しており、城ヶ崎海岸駅まで見送りに。
ホームの一部が足湯になっています。
雨が降ってきたので、さすがに入っている人はいませんでしたが、何ともホスピタリティー豊かな駅ですね。
さて、私は昨日のコースの続きを歩きましょう。
例の道端ベランダ宴会場に向かいます。
途中昨日は気付かなかったのですが、とあるお宅の庭先に何と露天風呂があります。
今日はお湯は入っていませんでしたが、何とも情緒ある発想をするご主人ですね。
自分の庭から富戸の街並みを眼下に見ながら風呂に入るなんて。
羨ましい限りです。
今日は月並みですが、吊橋に向かいましょう。
海外に沿ったハイキングコースです。
ハイキングコースからはみ出ると大変危険ですから絶対はみ出ないで下さい、という案内がありましたが、途中目に止まったものがあったのではみ出ます。
木の向こう側にかろうじて見える小屋があります。
何でしょう。
海に突き出ていますよ。見張り小屋でしょうか?分かりません。行くことも出来ません。廃屋のようです。
ふと横を見るとよく分からない祠が。
ちょっと不気味。きっと漁の安全を願った神様を祭ったものなんでしょうが。
余計なことかもしれませんが、もうちょっとケアしとかないと、神様怒っちゃいますよ。
それにしても昨日の産衣石といい、伊豆半島って、観光地を一歩踏み出ると、ちょっと怖い所が多い。
正しいハイキングコースに戻り、山道、かと思うと海岸の岩道を歩きます。
ゴツゴツした荒削りの岩壁がそそり立ち、そこに波が地響きを震わせ叩きつけられます。
晴れていれば、きっと海の色が深い群青色に輝いていることでしょう。


ボラ納屋を通り過ぎ、30分もすると例の吊橋。
今までの寂寞とした風景から、一面観光客だらけのスポットに早変わり。
家族とも何度も来た、ザ・城ヶ崎海岸観光です。
怖ーい、等と悲鳴を上げている女性達を追い越し、灯台へ。
門脇灯台。
体育会ヨット部だった私にとって忘れることの出来ない灯台ですが、その話はまた別の機会にしましょう。
もうへとへとですし、雨まで降ってきました。
帰りましょう、かんぽの宿まで。
お洒落な別荘地をのろのろと上り続けます。
頭の中には、もう風呂しか思い浮かびません。
チェックアウトは終わっていますが、日帰り温泉ということで500円払うと再び風呂に入れます。

天気は今ひとつでしたが、二日に渡ったハイキングを反芻しながら、ゆったり湯ケムリに浸かります。
露天風呂は目の前のキンモクセイの香りが心地よい。
計4回も入りました。
まさに温泉三昧ですね。
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