両脇を埋め尽くした人人人、頭上にはヘリコプター、一瞬の静寂、
そして「来たあ」という叫び声と「頑張れー」という絶叫の嵐。


白バイの後を矢のように飛んで行く若者。


そう、ここは正月恒例の箱根駅伝の箱根・芦ノ湖ゴール直前最終直線コース。
普通の道がドラマチックな劇場に変身しています。
壮観ですよ。
テレビで見るのとは大違いの迫力。
我が家は娘達二人とも陸上部出身なため、箱根駅伝マニア。
毎年、ライブで見に行きます。
自宅が大船なため、近くの国道一号線が駅伝コースなのです。
戸塚~藤沢間で、ちょうど遊行寺坂上のあたりで見るのです。
しかし、ここは例年と全然違う雰囲気。
何と言ったってゴール地点ですからね。
寒い真冬の、しかも山の上の凍りつくような空気が、熱気でムンムンと沸騰しています。
応援団も大集合。
あちこちで本格的応援合戦をやっています。
我が家(今回は、妻子と義母と私で箱根一泊旅行)もゴールの4時間前に着いて、
見る場所確保を試みました。
4時間前ですが、既に遅い部類。
何とか駐車場前の狭いスペースが確保できました。
時間潰しに苦労しますが、長女はどこからかビールと焼き鳥とつまみを買ってきて、
道路のアスファルトにつまみを置いて一人宴会。
オヤジ以上のオヤジぶり。
誰に似たんだ?
そして、何と、4時間待っていざ選手がやってくるという時になって、トイレに。
行列が出来ているようで、大分時間がかかっています。
これだけ待って、トイレで肝心の選手が見れませんでした、
となったら一生の笑い話です。
幸い、本当のギリギリに戻れましたが。


それにしても駅伝は面白い。
駅伝が日本で人気があり過ぎるから、肝心の5000メートルや10000メートルで日本選手が活躍出来ない、とぼやく評論家がいますが、どう見ても、400メートルのトラックをグルグル回っているだけの競技より、駅伝の方が面白い。ドラマがありますからね。
駅伝をこそ、世界に輸出して国際競技にすべきです。
最後のドーンドーンという花火が上がり、全チームゴールしたことが知らされます。
私以外の家族は、遊覧船で本日の宿泊地、芦ノ湖の北の端にあるダイヤモンド箱根ソサエティに向かいますが、
私は歩いて行きます。
若者達の熱い走りを見た後、呑気に遊覧船に乗って、ホテルでダラダラしている訳には行きません。
たまには根性の見せなければ。
芦ノ湖の南の端から北の端・・・・・かなりの距離ですよ。
サイクリングならともかく、ハイキングする人はいないでしょう。


関所跡を抜け、恩寵公園に入ります。
雪が残り、湖の水は凍っていますが、
行きかう学生・応援団は
熱気ムンムン。
明日は復路。
早朝スタートに向けてこれからミーティングってところでしょうか。
王者駒澤大学のノボリが箱根の街を闊歩します。
「そこのけそこのけ、駒澤大学が通る」ということでしょうか。
実績から言って、文句はないでしょう。
(東洋大学に負けて残念でしたが)


騒がしい元箱根の街や遊覧船の船着き場を抜けると、
静かな湖畔の道に入ります。
眩しい湖の光が木々の間から漏れて来る森林の道。
先ほど、遠くに見えた鳥居まで来て、一休み。
鳥居を越えて、しばらく歩くと湖に遊覧船が。
時間的に言って、家族が乗っている遊覧船かもしれない、と思って写真を撮りました。
ケータイに電話しましたが、繋がりません。
今日は人が多すぎ、回線が混雑しているためか、朝からなかなかケータイが繋がりませんからね、
諦めましょう。
後で聞いてみると、やはり家族が乗っていたようです。
そして私を認めたようです。私に手を振ったようですが、遠くて見えませんでした。


1時間ちょっと歩いた頃でしょうか。
竜宮城のような建物や、湖にどーんと面したとても立派な建物が見えて来ます。
芦ノ湖畔蛸川温泉 龍宮殿とザ・プリンス 箱根 です。
湖畔から富士山が見えます。
(写真にも写っていますよ)
芦ノ湖から富士山は近いのですが、他の山の関係で見える所が殆どありません。
こうやって突然出現すると、
やっぱり嬉しくなりますね。
湖畔をホテルの周囲に沿って歩くと、道がなくなり、ホテルの裏口のような場所にぶつかります。
本当は入っちゃいけないのでしょうが、他に行きようがないので、エイッとドアを開けて入りました。
クリーニングの山と食器の山、忙しそうに歩き回る作業員・・・・・そうです、ここは一般の客が入ってはならないホテルのバックスペース。いつ怒られるかとヒヤヒヤしながら歩きます。歩くというより迷路に入り込んで徘徊していると言った方が正しいかもしれません。
どこに行くか分からないエレベータに乗ると、一緒に乗ってきた女性に「どこに行かれますか」と訊かれたので、咄嗟に「ロビーに」と答えると、「では案内します」との丁寧な返事。
しかも、本当にロビーまで案内してくれました。
何て親切なんでしょう!
「あんた、不法侵入でしょ。警察に突き出しますよ」と言われても文句は言えなかったかもしれないのに。
ロビーでも、ホテルマンに深々をお辞儀をされ、ドアを出るときには「行ってらっしゃいませ」との温かいお言葉。
勘違いも良いところですが、それでも嬉しい。


しばし湖を左手に見ながら歩きますが、途中から山道に入ります。
神山通り、と呼ぶそうです。
何が、神山??と不思議に思っていましたが、
程なく分かりました。
神山とは駒ヶ岳のことなのです。
芦ノ湖から仰ぎ見る高い山。


ここがその登山口のようです。
「祈安全登山 合掌」
と書かれた案内板があります。
そして、その横に、弔魂碑があります。
命を落とした人が多いのでしょうね。
遭難した人が最後に見たのは、やはりこの芦ノ湖なのでしょうか、富士山なのでしょうか。


段々日が暮れてきます。
気温も下がってきたようです。
九頭竜神社を越えたあたりから、道も怪しくなってきました。
滑りそうな雪道、崖崩れの跡、
ちょっと心細くなってきます。
先ほどまで行きかう人も多かったのですが、今はもういません。
もう2時間歩いてますから、足も固くなってきました。
早くホテルに着いて、温泉風呂に入りたいなあ、という願望が少しずつ湧き上がってきます。
家族はもう着いているはず、もう少し頑張らねば、と自分を励まし、足を進めます。


下を見るとボートが。
そして、遊覧船が近づいてきました。
ようやく湖尻です。
いよいよ最終コーナー。
湖畔の道を桃源台に向かって更に歩きます。
もうクタクタ。
海賊船とロープウェー、
桃源台です。
長かったなあ、2時間半の真冬ウォーキング。
夕陽に白鳥が泳いでいます。
ここでホテルのお迎えバスを呼んでも良いのですが、最後の力を振り絞ってもうひと踏ん張り。
この先の芦ノ湖キャンプ村に行きましょう。
ずーっと昔、我が家がオートキャンプに明け暮れていた時に一度だけ来たのが、このキャンプ場。
11月だったと思うので、かなり寒かった記憶があります。
ちゃんとテント貼って宿泊しましたよ。
こんな寒い時期に、と思うのでしょうが、結構冬のキャンプって悪くないですよ。
空いてるし、夜空は澄んで星はきれいだし。
予想通り、ちゃんとテント貼ってるキャンパーがいました。
家族連れですよ。
逞しい。
おそらくはこのテントサイトと思われる場所を確認し、
感慨に耽ります。
この場所から湖は見えません。
その代わり駒ヶ岳が見えます。
夕陽に輝く冬山・・・・・・
確かに神山、神々しい。


桃源台に戻り、ホテルに電話。
そして家族の待つダイヤモンド箱根ソサエティに到着。
部屋に入ると、先ほどまでの芦ノ湖が薄暮の輝き沈んでいます。
(右上写真)
しっかりくつろいでいる妻子と話をする時間も惜しく、
いきなり温泉に突撃。
これを待っていたのです。
歩いている時からずーっと。
当たり前ですが、天然温泉。
天下の箱根温泉ですからね。
さすが箱根の湯、良い湯です。
冷え切っていた体が芯から温まります。
露天風呂は広くはありませんが、木々に囲まれ自然の息吹を体いっぱいに感じられます。
(写真は翌朝)
肌を刺す冷たい山の冷気に上半身を晒しながら、下半身を温かい湯に浸かる、その何とも言えない心地よさ。極楽です。
極楽の後は、
もう一つの極楽。
夕食。
懐石料理風に一品づつ出てくるので、見た目のインパクトはありませんが、
一品一品芸を尽くした感じがして目でも舌でも楽しめます。
海の幸が刺身もイタリア風も、はたまた和牛ステーキもありと、
十分過ぎます。
樽酒・ワイン等が飲み放題なのも嬉しい限り。
妻の機嫌が悪くなることも構わず、長女と私は飲み放題を満喫。
それにしても、飲み過ぎ。
今年も良いことがありますように。
乾杯!
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